仮処分決定のポイント(NHK福井)
今回の仮処分の決定のポイントをまとめました。
裁判所は大きく以下の4点について関西電力は原発が安全だとする十分な説明ができていないと指摘しました。
まず1つ目、福島第一原発の事故を踏まえた過酷事故対策について。
これについて裁判所は、福島の事故の原因究明は建物のなかの調査が進んでおらず、津波を主な原因だとしてよいかも不明だとし、津波以外の対策もすべて検討され尽くされたのか十分説明されていないとしています。
2つ目は事故の際、非常用の発電機などの外部電源に頼る緊急時の対応方法についてです。
裁判所は非常時の備えや対応方法が十分なのか根拠が足りないと指摘しました。
3つ目は設備や機器の耐震性を決める「基準地震動」=原発で想定される最大の地震の揺れです。
最大の揺れを評価する方法のもととなるのは、過去に起きたわずか14の地震で、サンプルの少なさからすると科学的に異論のない方法と考えることはできないとしました。
そして、最後に原発で事故が起きた際に住民の命を守る避難計画の実効性です。
これについて裁判所は、避難計画の策定は関西電力の義務ではないとしていますが、関西電力が避難計画を含んだ安全対策にも留意し、実効性があるか十分、説明すべきだとしました。
そして、国が避難計画の実効性を確かめる基準をつくるべきだと指摘しました。
運転中の原発が司法の判断で止まるのは初めてです。
過去にも、原発をめぐる裁判で住民などの訴えが認められたケースは4件あります。
県内では、おととしの大飯原発3・4号機の運転差し止めを求める裁判や、去年4月の高浜原発の運転差し止めを求める仮処分。
平成15年には高速増殖炉、もんじゅをめぐって国の設置許可は無効だという判決を言い渡しました。
しかし、その後、取り消されたり、2審で審理が続いたりしていて、実際に止まることはありませんでした。
今回、裁判所は経済活動に影響があったとしても止めなければならないという強い姿勢を示したと言えます。
(H・Y)
コメントをお書きください