2022_0325 羽鳥慎一モーニングショー・テレビ朝日より  https://www.tv-asahi.co.jp

 ウクライナ戦争をめぐる論点(メモ風に)     白川真澄

http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=240
 2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻が引き起こしている惨状に心が痛む日が続いています。それでも、ウクライナ市民の抵抗とロシア国内の反戦行動に強く共感し、これに連帯する行動に少しでも関わりたいと思ってきました。ウクライナの戦争をめぐってさまざまの議論が起こっています。ロシアやウクライナの現状や歴史、国際政治の理論に関しては素人であることを承知の上で、いくつかの論点について考えたことをメモ風に述べます。もう少し時間をかけて調べたり考察を深めたい事柄もあるのですが、とりあえず自分自身の考えを整理するための作業を文章化したものです。
? ウクライナ戦争で最大の責任・罪を問われるべきは、プーチンである。
 ウクライナ戦争をめぐって“ロシアも悪いが、米国やNATOも同じように悪い”といった言説もあるが、ロシアのウクライナ侵略とNATOの東方拡大を同列に並べて非難することは、結果的に戦争犯罪人・プーチンの罪一等を減じることになる。
(1)プーチンのウクライナ侵略の最大の口実とされているのは、NATOの東方拡大である(侵攻前の2月21日のロシア国民向けのビデオ演説)。たしかに米国主導のNATOの東方拡大は、ロシアに安全保障上の不安(「ロシアに対する軍事的脅威」)を感じさせ、ウクライナ侵攻の口実を与えてしまった。その意味で、米国の対ロ外交・安全保障政策の重大な失敗と誤りである、と言わねばならない。
(2)しかし、ロシアのウクライナ侵略の主要な動機=理由は、プーチンの「ロシア帝国の復活」という野望にある。彼は2月21日の演説のなかで、“ウクライナはロシアの譲渡できない不可分の一部である”と公言して、軍事侵攻に踏み切ることを正当化する。さらに、“ウクライナは2014年政変以降、欧米のかいらい政権の植民地に落ちている”と認定して現政権の転覆をめざす狙いを隠さない。そして、“NATOのさらなる拡大を防ぎ、1997年以前の状態に戻す”と宣言する。ここには、大国として復活したロシアを無視し貶めてきたポスト冷戦の国際秩序を覆そうという意思が表明されている。プーチンはこの企てを、国際法をふくむ既存のルールの暴力的な破壊という方法で試みたのである。
(3)私たちは何よりも先ず、ロシアのウクライナ侵攻を弾劾しなければならない。今回の侵攻がプーチンの「ロシア帝国の復活」の野望に起因していることを明確にした上で、その誘因となったNATOの東方拡大をきびしく批判する必要がある。ウクライナ戦争を起こした最大の責任と罪がプーチンにあることを曖昧にすることは、許されない。
※「ロシア軍によるウクライナへの攻撃は正当化する余地のない蛮行であり、……これ以外にも考えるべき点が多々あるとはいえ、それらはすべてこの最重要の点を確認した上で、その後に考えるべきことだという順序関係は明確にしておかなくてはならない」(塩川伸明「ウクライナの戦争をめぐって」、22年3月13日)
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ウクライナ戦争にどう向き合うべきか(上)
2022年4月24日      白川真澄
 ? ウクライナ戦争の二重の性質
1 ウクライナ戦争は、(1)ウクライナの民衆自身の侵略に対する抵抗戦争、(2)NATOとロシアの間の代理戦争(米国の武器支援を受けた戦争)、という二重の性質・側面を持っている。2つの性質と側面は切り分けることができず、そこからウクライナの軍事的抵抗(抗戦)を支持するか支持しないかの分岐や対立が生まれている。
2 この戦争を、米国(NATO)とロシアの代理戦争とだけ見る見解は、ウクライナの民衆のさまざまの形態での抵抗を見落とすか、無視している。
(1)もっぱら米ロ間の代理戦争とだけ見る見解
 *「ウクライナ軍は米英によってつくられ、米国の軍事衛星に支えられた軍隊で、その意味でロシアと米国はすでに軍事的に衝突している」、「米国はウクライナ人を“人間の盾”にしてロシアと戦っている」(E・トッド「日本核武装のすすめ」、『文春』5月号)。
 *「米国・NATOが、アフガンに仕掛けたのと同じ『自由と民主主義の戦争』を、今度は自分たちは戦わず、NATO加盟国でもないウクライナに戦わせている」(伊勢崎賢治、「長周新聞」3月17日)。
(2)ウクライナ内の左派の見解/自決と民族解放のための闘争
 *「[この戦争には]帝国主義的な側面がある」が、「この戦争を西側とロシアの対立に還元することは、ウクライナを見過ごし、列強間の単なる手先として扱うことになる。……紛争におけるウクライナ人の主体性を否定する」(ユリヤ・ユルチェンコ「ウクライナ自決のための戦い」)。「私たちの自決権と民族解放のための戦い」(同)。
 *「帝国間の次元は、ロシアと西側帝国の支配からの独立をめざすウクライナの戦いの中心性を認識することを妨げてはならない」(同)。
3 もっぱら代理戦争とみる見解は、“ロシアと米国(NATO)のどちらも悪い”論になりがちで、プーチンこそが侵略戦争の最大の責任を問われることを曖昧にする。
(1)NATOが戦争を招いたという見方
 *「『いま起きている戦争の責任は誰にあるのか? 米国とNATOにある』(ジョン・ミアシャイマー)……私も彼と同じ考えで、欧州を“戦場”にした米国に怒りを覚えています」(トッド、前掲)。
(2)冷戦崩壊後のNATOの東方拡大は、地政学的な視点から「ロシアへの軍事的脅威」を感じ警告を発していたロシアを侮り無視した米国の誤った政策であった(東欧諸国がNATO加盟を強く望んだとはいえ)。それはロシアの侵攻の誘因となり、口実とされた。また、ゼレンスキー政権の東部紛争に関するミンスク合意の不履行も、誤りであった※。
 ※白川「ウクライナ戦争をめぐる論点(メモ風に)」
(3)しかし、ロシアの軍事侵略は、こうした事柄によってはまったく正当化されない。ウクライナ侵攻の主たる理由は、プーチンの「ロシア帝国の復活」=「旧ソ連の勢力圏の復活」の野望にある。プーチンはこの野望の実現のために、冷戦後の米国主導の国際秩序を暴力的に破壊・転覆する冒険に出た。
*プーチンは、ウクライナはロシアの一部にすぎないと主張し、独立した国家であることを否認する(2月21日の演説、21年7月発表の論文)。
*プーチンは、2014年「マイダン」以降のウクライナの政権は欧米のかいらい政権であり、いつでも転覆してもかまわないと考えている。
*東部2州の占領は、ロシア語系住民をジェノサイドから解放することだと主張する。
4 しかし、戦争の長期化に伴って、代理戦争の側面がしだいに大きくなる危険性がある。
(1)ロシア軍による住民虐殺や東部への攻撃の激化に対して、米国などNATO諸国が武器支援をさらに拡大しつつある。これによって、より多くの人命が失われ、凄惨な状況が広がる怖れが生まれている。
 *米国などから長距離砲155?榴弾砲、自爆型ドローン「フェニクッスゴースト」、T72型戦車の提供。
 *ロシアによる特殊貫通弾の使用、生物化学兵器や戦術核の使用の危険性。
(2)ウクライナの軍事的抵抗を支持することと戦争のエスカレーションに手を貸すこととの間のディレンマが大きくなる。その解は、軍事的な勝利ではなく、一刻も早く交渉による停戦を実現し、ロシア軍を撤退させることである。
 *「私はウクライナ軍の抵抗に賞賛を送りたい。しかし、彼らは戦争に勝つことはできない。この痛々しく、殺人的な膠着状態が延々と続くことを本当に望んでいるのだろうか」。「ウクライナ軍が抵抗している間、私たちは彼らを軍事的に支援する道徳的義務がある。……。しかし、抵抗することの要点は、和平を訴えられるところまで到達することです」(ヤニス・バロファキス「ウクライナはこの戦争に勝てない」)。
 *「我々の自由を勝ち取るために、我々の戦闘員やボランティアのために武器を確保する権利も含まれる。しかし、左翼は……NATOが強制する飛行禁止区域を求める要求を支持してはならない。それは、……核保有国間のより広い戦争の危険を冒すことになる」(ユリヤ・ユルチェンコ、前掲)。
(3)交渉による停戦の実現には、多くの困難や障壁が立ち塞がっている。ウクライナがNATOに加盟せず中立地帯になることの確認は合意できるだろうが、東部2州における分離独立(親ロ派武装勢力とロシア軍の占領による)の既成事実化をどのように扱うかが難題である。
 *ロシア国内の反戦・反プーチンの運動の高まりが、停戦とロシア軍の撤兵を実現させる大きな力になる。
*政治力学的には、制裁に賛同しない中国やインドが停戦交渉の仲介役を果たすことがポイントになる?
(続く)

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ウクライナ戦争にどう向き合うべきか(下)

2022424日      白川真澄

 

Ⅱ ウクライナの民衆が武器を取って抵抗することを支持することは、日本で非軍事・非武装の実現を主張することとは矛盾しない。

1 ロシアの軍事侵攻に対して、ウクライナの民衆は、3つの異なる方法・手段で抵抗している。

1)武器を取ってたたかう/政府軍に志願兵として加わる、あるいは地域の自衛組織(「領土防衛隊」など)を作ってたたかう。

 *ウクライナの世論調査(ロシアの侵攻前)では、男性の6割、女性の1割が侵攻があれば武器を取ってたたかうことに賛成している(ANN)

2)非武装で抵抗する/素手で戦車に立ち向かい、抗議や説得の活動を行う。占領軍に対して不服従や非協力を貫く。

(3)逃げる/避難民として国内外に逃げる(ただし、ウクライナでは1860歳の男性は出国の自由を奪われている)。

 

2 どのような抵抗の方法・手段を選ぶのかは悩ましく難しい選択と判断である。いずれの方法・手段も、それぞれに大きなディレンマを抱えているからである。

1)武器を取って抵抗する方法は、政府軍への志願はむろんのこと、地域防衛組織への参加であっても、政府軍と一体になって、その指揮下でたたかわざるをえない

*軍事的抵抗はロシア軍の侵攻を食い止め押し返すことによって、ロシア軍による破壊と住民虐殺をかなり防ぐ効果を発揮している(キエフ近郊からのロシア軍の撤退)。

*しかし、政府軍にはアゾフ大隊のような極右組織、外国の民間軍事会社の傭兵部隊が組み込まれているから、左翼にとって本来は敵対する組織とも手を組んでたたかうことになる。ウクライナの左翼も、そのことを自覚し警戒している。「右翼政党やアゾフ大隊の指導者にもファシストもいる」、「これらの右翼勢力は、多民族国家ウクライナの未来に対する脅威である」(ユリヤ・ユルチェンコ、前掲)。

 *政府軍は米国やNATO諸国の武器支援に依存して戦っているから、米ロの覇権国家間の代理戦争とそのエスカレーションに加担することになる。

 *そもそも、政府軍は民衆にとって解体・否定すべき存在である/「軍隊は民衆を守らない、民衆に銃口を向ける存在である」(「民衆の安全保障」の原理)。

2)非武装で抵抗することは、最も広範な人びとが参加できる方法であり長期的には最も有効な方法であるが、目前で行われている侵略軍の破壊と住民虐殺や強制連行を止めることができない

 *自らの身体を使った非武装の抵抗は、特定の限られた人たちによる武装抵抗とは違って、誰もが(決意と勇気さえあれば)実行できる最も広がりのある抵抗の形態となる。また、長期にわたる抵抗の持続によって、侵略軍の占領体制を下から蝕み、穴をあけ、崩壊させることができる。

 *自らが殺傷される危険性があるが、相手(ロシア軍の兵士)の命を奪わない抵抗であるから、「殺さない」という倫理性を貫くことができる。

 *しかし、非武装の抵抗を選択することは、軍事的抵抗を最初から放棄し全面降伏する方針を取ることであるから、ロシア軍による首都や全土の占領、かいらい政権の樹立を許すことになる。

 *ロシア軍によって強行される眼前の街・住居の破壊や大量の住民虐殺や強制連行を食い止めることができず、抗議の声を上げるが残虐な攻撃を許すという苦悩を抱える。

3)逃げることは、侵略軍による大量虐殺から逃れて生命を守り、相手も殺さないというという点では有効な方法だが、障がいを持つ人や高齢者など逃げることのできない人も多くいる

 *小倉利丸は「ロシアがいかに侵略者としての暴力を振るおうとも、ウクライナの民衆に軍隊は民衆を守らないという基本的な視点[民衆の安全保障の原理]を提起することがどうしたら可能なのか」と問い、「戦場からの逃避行動」に「戦争放棄の具体的な行動の核心」を求めている(「『戦争放棄』を再構築するために」)。

*しかし、自分たちが住んでいる町や村から逃げることのできない人は大勢いる。逃げるという方法は、多くの人にとって可能な選択肢というよりも特定の人びとにとって可能な方法である。

 

3 どのような抵抗の方法・手段を選び取るかは、侵略を受けている当事者であるウクライナの人びとが決めるべき事柄である

1)ウクライナでは、武装して抵抗する人びとと素手(非武装)で抵抗する人びととは、互いに補完しあい支え合っている

 *「武器を取る」道(イリヤ)と「武器を持つことを拒否し」て抵抗する道(ユーリー・シェリアジェンコ)のいずれを選ぶべきかをめぐって、「暴力の役割に関する異なる見解が、両活動家に、互いに敵対するのではなく、むしろ補完し合うような積極的闘争を行わせている」(マイク・ルートヴィヒ「戦争はウクライナの左翼に暴力についての難しい決断を迫っている」)

2)ウクライナの人びとに対して、武器を取って戦うべきではない、全面降伏すべきだと説教したり指示する資格は、私たち(日本人)にはない

*鮫島 浩は、ゼレンスキー政権が「18歳~60歳の男性の出獄を禁止し戦争に駆り出」していると非難しているが(「ゼレンスキー大統領の国会演説に前のめりの与野党とマスコミの平和ボケ」)、自らの自発的な意思で銃を握って抗戦に参加した少なからぬ人びとの姿は消去されてしまっている。

3)しかし、武器を取って戦うことが抱えるディレンマやリスク、とくに軍事的抵抗の長期化が代理戦争の側面の前面化につながる危険性を指摘する必要がある。

4)日本で暮らす私たちは、自らの歴史的な体験や反省に立って、非軍事・非武装の方法・手段を貫き、アジアの非軍事・非核地帯の創設をめざす(日米軍事同盟を廃棄する)プロセスで自衛隊を縮小・解体し、軍事的な緊張をなくす道を選択することを明言する。

 

4 ウクライナの民衆の抗戦を支持することは、日本における軍事力強化の大合唱に屈服することにはならない。いまこそ、非軍事・非武装を積極的に主張すべき時である。

1)ウクライナ戦争を奇貨として、強い軍隊によって国を守る、すなわち軍事費の倍増・核共有・敵基地と指揮中枢への攻撃能力の保有という主張が声高に叫ばれている。この大合唱に対して、非軍事・非武装の原理と立場から反撃することが緊要の課題となっている。

2)日本共産党は、「急迫不正の主権侵害に際しては自衛隊を活用します」(志位、4月7日)と主張するに至った。これは、民衆の抵抗権ではなく、「国家の自衛権」の承認を前提にして現在の自衛隊を「専守防衛を任務とする自衛隊に改革する」という路線から、論理必然的に導きだされる主張である。この主張では、「国と国民の命をまもる」ために軍隊=自衛隊を強化するという政府・自民党の路線と本質的に変わらず、まったく対抗できない。

3)私たちは、“軍隊は民衆を守らない、軍隊は自国民に銃口を向ける”ことを明らかにし、自衛隊を縮小・解体することを主張する。それは、民衆の抵抗権、個人の正当防衛権を認めるが、国家の自衛権をフィクションとして否認する立場に立つ。

4政府軍が例外的・過渡的に自国民を守るケースは、存在する。しかし、そのことは、あくまでも例外的・過渡的な事態にすぎない。軍隊は民衆を守らない存在であり解体・否定されるべきだという原理・原則を無効にするものでも、否定するものでもない。

 *政府軍や正規軍が侵略軍に抗戦し、侵略の拡大を阻むことによって住民の生命を守った事例/中国の抗日戦争における国民党軍や紅軍、ベトナム戦争における北ベトナムの軍隊、独ソ戦の反攻の初期にパルチザンとともに戦ったソ連の赤軍など。

 *現在のウクライナ政府軍は、ロシア軍の侵攻を食い止めて住民の生命を守っている点で、このケースに当てはまる。

 *しかし、政府軍は、ある局面で住民を守る役割を果たしても、必ず他国に侵攻したり自国民に銃口を向ける抑圧装置に転化してきた/中国の人民解放軍(チベット侵攻と住民虐殺、天安門事件)、北ベトナムの政府軍(カンボジア侵攻)、ソ連赤軍(ドイツ国内へ侵攻する過程での住民虐殺や性的暴行)。

5)ウクライナの政府軍も、この戦争を通じて民衆に敵対する軍隊に転化・変質する危険性をもつことを直視すべきであろう。

 *戦争の過程で軍隊の権威や発言力が強化され、戦後の社会において強大な権力にのし上がる危険性/極右や民族主義者が軍隊の実権を握ることなど。

 *ウクライナの軍隊が欧米の武器援助で近代化され、北欧諸国の軍備拡張やNATO加盟の動きと連動して、戦争が終わってもロシアとの間にいっそうの軍事的緊張が作り出される危険性。

6)そうした危険性を直視すれば、ウクライナの軍隊が住民を守る役割を果たしているとはいえ、それは例外的・一時的なことであろう。ウクライナの中立化(NATOへの非加盟)と安全(ロシアによる不可侵)を保障する国際的な枠組みをつくるプロセスのなかで、強大化した政府軍を戦争後は縮小・解体する課題が問われてくるだろう。ウクライナの左翼がどのように考え、主張するのか、注視したい。

 

 「ウクライナ戦争をめぐる論点(メモ風に)」(3月末にPP研のWEBに投稿した文章です)

http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=240 

 

いちろうちゃんブログ

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ウクライナ停戦に向けて、インド大使、ロシア大使、外務省と面談(写真はHP)した「憂慮する日本の歴史家の会」の研究者が、第二回シンポジウムを開催します。
 https://peace-between.jimdosite.com/ 

再論「ウクライナ戦争を一日でも早くとめるために」:憂慮する歴史研究者があらためて訴える第二回シンポジウム

 2022年4月29日(祭日)14:00-17:00 
 YouTube配信(無料、後日視聴も可):
 https://youtu.be/2Q9OnavP0Kw 

ウクライナ戦争は決定的な節目にさしかかっています。ここで停戦に向かうのか、新しい戦争の本格的開始となるのか、それはこの戦争を見守っている世界の人々がどのように考え、声を発するかにかかっています。わたしたちの話を聞いて下さい。 

報告と司会 藤本和貴夫(大阪大学名誉教授) 

1 ウクライナ戦争の現段階、停戦協議の到達点と展望
  伊東孝之(早稲田大学名誉教授)
  松里公孝(東京大学教授)
  伊勢崎賢治(東京外国語大学教授)

2 米国の新しい戦争のはじまりか、日本の立場は  羽場久美子(青山学院大学名誉教授)
  和田春樹(東京大学名誉教授)
  富田武(成蹊大学名誉教授)

3 総合討論
・主催:憂慮する日本の歴史家の会

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■ 「憂慮する日本の歴史家の会」が声明の賛同署名を募ったところ、嬉しいことに「観光ガイド有志」の方々が、自分たちに出来ることとして、翻訳の協力を申し出て下さいました。おかげ様で、日本語、英語、ロシア語、フランス語、スペイン語の5か国語をHPにアップできました。中国語へも翻訳中です。
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ウクライナ戦争が始まって約2カ月、総大将のアメリカ、及びその子分のNATOなどの「戦争屋」は、更に日本その他の軍事同盟国を従えて、対ロシア戦争を長期化させる動きに出てきています。昨日(4/23)、及び本日(4/24)のIWJ日報などを見ると、戦争は停戦・和平交渉へ向かう雰囲気は全くなく、ますますエスカレートしていきそうな気配がしています。 

とりわけ、ロシアの戦争方針でウクライナを黒海から切り離す南部方面軍事作戦や、アメリカ・NATO・その他の戦争協力国によるドイツ在の米空軍基地での「ウクライナ防衛力支援会議」などは、事態をどんどん悪化させる「愚かな暴挙」と言えるでしょう。また、本日のIWJ日報には、中共中国とソロモンが締結した安全保障協定にアメリカが脅迫的な警告を発している旨の情報も伝えられています。 

何が真実で、何がフェイクなのか、はっきりしないままに(関係当事者がしっかりした真相究明の手続きや態勢を取らずに情報戦をやっているからこうなる)、このまま事態が推移していくと、やがて人類最終の核戦争である第三次世界大戦がやってくるような気がします。

 

それにしても、深刻なイデオロギー対立があった冷戦時代でさえ、我々の先人たちは第三次世界大戦を引き起こさないために、軍事や安全保障の問題については、旧ソ連・中共中国と事を構えるにあたっては、慎重にも慎重な対応をしていました。それが、冷戦というイデオロギー対立の時代はとうの昔に終了して、根本的には対立の根は断たれているにもかかわらず、「国民国家主義」(ナショナリズム)や「軍産情報複合体」の戦争利益など、前近代的とも言うべき陳腐で愚かな動力に突き動かされて、世界中が「戦争屋」に振り回されている印象を強く持ちます。ゼレンスキー・ウクライナ政権などは、まさにその典型で、まるでユーゴ内戦のようなことを繰り返しながら、アメリカ・NATO、つまりは「軍産情報複合体」とその先兵である「戦争屋」の掌の上で踊らされている戦争ピエロのようなものでしょう。悲劇は、こうした「戦争屋」(もちろんロシアにもたくさんいます)が一般のウクライナ市民を強制的に巻き込んで、多くの犠牲を生んでいることです。戦争とは、常に、一般市民を押しつぶし、最大の犠牲をもたらすのです。戦争は、国を守るのではなく、国の支配者=今日では世界の支配者の利益を守るものです。 

EUの良識・良心や「平和勢力」は何をしているのでしょうか? EUという一国を越えた経済同盟をつくり、将来的には「ヨーロッパ合衆国」を目指していたはずのEUが、今ごろになって「第一次世界大戦レベル」のナショナリズムに染め上げられ、古臭いカビの生えたような「祖国防衛戦争」を叫ぶつもりなのでしょうか。2つの世界大戦がどういう結果になったか、もう忘れたのでしょうか。戦争で「解決すること」などありません。戦争はたくさんの深刻な問題=とりわけ憎悪の連鎖を生み出し、新たな殺し合いの土壌を作っていくのです。愚かなことはやめさせなければいけません。プーチン・ロシアを叩くだけでなく、ゼレンスキー・ウクライナに対しても「戦争ヤメロ・市民を巻き込むな」の声を挙げていかなければならないのです。ゼレンスキー政権は「民族解放勢力」などではありません。

1.若干の新しいネット情報 アメリカ大本営発表しかしない日本のマスごみ情報を見ているだけでは判断を誤ります。下記のような情報もあることにご留意ください。 

(1)DEMO-RESE Radio#35「ウクライナでの戦争の真実」 - YouTube
(オリバーストーン製作の映画「ウクライナ・オン・ファイアー」を日本語でやさしく解説しているような印象です)
 https://www.youtube.com/watch?v=TDy-lMyKSpA

(2)(メール転送です)NHK海外ニュース(2014年8月25日):ウクライナ軍が禁止されている白リン弾を使っていると確かに言っている!
 https://www.facebook.com/100002211754755/videos/1260003231199472 

(2014年2月のクーデターで新ロシアの大統領が倒された直後の8月にウクライナ政府はロシア系ウクライナ人の多いドネツクに猛烈な武力攻撃をしています。即ち、ウクライナでは「政府が自国民に」対して攻撃です!その攻撃をしているのが「アゾフ連隊」と呼ばれる傭兵による部隊で、こういう事実が世界に発信されていたのに「放置」されていたのです。その上、あろうことか、こういう部隊にアメリカやNATOがお金、武器、軍事訓練などの支援をしていたのです。【転送歓迎】 

(3)「なぜアメリカはウクライナ戦争を愛しているのか」を報道したインドTVにゼレンスキーが出演、台湾も引用(遠藤誉)- Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220417-00291879 

(4)日刊ゲンダイより

*【ウクライナ侵攻】プーチン失脚か第3次世界大戦か…停戦合意などもう絶望|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/304019

*【ウクライナ侵攻】仏文明批評家エマニュエル・トッドの論文「核武装のすすめ」の真意|高野孟 日刊ゲンダイDIGITAL
(簡単に言うと、アメリカの「核の傘」など、アテにはできない、ということです)
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/303863

*【バイデン大統領】バイデン大統領が前のめりの「ジェノサイド」発言 米政府高官“火消し”に追われっぱなし|日刊ゲンダイDIGITAL
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/303966 

(5)「平和国家」のはずの(岸田文雄)ニッポンは何をやっとるのか!?

*米欧日がウクライナ支援強化で一致 岸田首相、2億ドル借款追加表明 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20220420/k00/00m/030/006000c

*質問なるほドリ:NATO会合になぜ日本が出席? ウクライナ支援で招待 中国へのけん制も狙い=回答・青木純 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20220416/ddm/003/070/054000c

*インドが自衛隊機を拒否 ウクライナ支援物資輸送練り直し(2022年4月21日) - YouTube
(何故、自衛隊機を使うのか、また、ウクライナからの避難民はロシアへも数十万人が流入している、その人たちに対してはどうするのか?)
 https://www.youtube.com/watch?v=_WV1e-Q3CDY 

(参考・再掲)高良参院議員が棄権 ウクライナ侵攻非難決議「独自の平和外交必要」(琉球新報) - Yahoo!ニュース
 https://news.yahoo.co.jp/articles/bedd6b7f7cb05f4c2d8d96de363d9ff79cdf5494

2.(メール転送です)ウクライナ戦争について西側情報(アメリカ大本営発表)だけに依拠して判断するのは危険(更に日本のマスごみの悪質性は日本国内の(隠れ)「戦争屋」を担ぎ上げて騒いでいること=特にTVがひどい)
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下記の2人の見解は私にも十分に理解できます。提供された情報が真実かどうかは、これから様々な情報を更に入手して検証しながら(相対的に)判断していきます。今までの自分の判断や評価が間違っているという重大な証拠が出てきたら、迷うことなく従来の見解を転換します。戦争時は情報が徹底的に統制され、いわゆる「情報戦」が展開されます。この日本は戦後ずっと長きにわたりアメリカの属国であったわけで、当然、ウクライナ戦争のようなことが起きれば、アメリカ側に偏った情報が洪水のように流されることになるのは自明なこと。加えて、日本のマスごみは、もうずいぶん前から首相官邸や支配権力や巨大資本などに忖度する御用報道を繰り返しており、日本のマスごみが今回のウクライナ戦争について正しい情報を流している、などとは断じて信じてはいけないのです。

これまでも何度も申し上げてきましたが、戦争時には情報が統制されることを前提に、さまざまなところから、さまざまな情報を入手し、認識や評価は常に相対的にして、そのさまざまな情報によって不断に自己検証を続け、有権者・市民としての良識と常識に従って、都度都度の判断を暫定的にしていく、そういう少々しんどい思考態度を取る必要があります。この間の日本社会の情況や市民運動・社会運動の様子を見ていると、言論妨害まで含めて危うい様子が見て取れ、今後、「第二のウクライナ」と言われる極東=東シナ海や朝鮮半島での武力衝突が起きた際の日本国内の情況が懸念される事態となっています。

ール表題にも書きましたように「ウクライナ戦争について西側情報(アメリカ大本営発表)だけに依拠して判断するのは危険(更に日本のマスごみの悪質性は日本国内の(隠れ)「戦争屋」を担ぎ上げて騒いでいること=特にTVがひどい)」ということです。そして、このウクライナ戦争を解決するには、戦争に至るまでの経緯をよく知ること、戦争のリアリズムをしっかりと身に焼き付けること、戦争当事者を突き放した「解決のためのプラグマティズム=徹底した戦争中立主義」が必要です。

 

下記の記事にあるような、戦争当事国の片側について、それを応援し、戦争を煽るようなことをしてはいけないのです。ウクライナ戦争の当事国のロシアは世界最大の核兵器保有国です。こういうことを続けていると、やがて第三次世界大戦=核戦争へと燃え上がっていきます。岸田文雄(似非)右翼自民党政権ニッポンが、宗主国アメリカに付き従い、NATO会議にまで出かけて行って戦争を煽っています。平和国家のやることではありません。

 

(関連)米欧日がウクライナ支援強化で一致 岸田首相、2億ドル借款追加表明 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20220420/k00/00m/030/006000c

(関連)質問なるほドリ:NATO会合になぜ日本が出席? ウクライナ支援で招待 中国へのけん制も狙い=回答・青木純 - 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20220416/ddm/003/070/054000c

私は、ヨーロッパ世界が主導して第一次世界大戦に突入していくときに第二インターナショナルのとった方針と、それに対して強く反対を貫いたレーニン・ロシアボルシェビキの態度を、このウクライナ戦争を契機にして思い出しました。第二インターナショナルに結集していた諸国の社会民主党他の社会主義者たちが、それぞれに「祖国防衛戦争」を主張して分裂していったのに対して、レーニンは「帝国主義戦争を内乱へ」と主張して、第一次世界大戦への協力を唱える各国の主流派社会主義政党を厳しく批判しました。それにもじって申し上げれば、今回のウクライナ戦争に対して私たちが取るべき態度は、「「国民国家主義」戦争を即時停戦へ」(ウクライナ戦争=「国民国家主義」戦争=前近代的イデオロギーであるナショナリズムの暴力的激突)とでも申し上げておきましょうか。レーニンが「帝国主義戦争はプロレタリアートを戦争の道具にして、その犠牲を強いるだけだ」と言ったように、「「国民国家主義」戦争は平和で友好的な生活を求める人々を戦争の道具にして、その犠牲を強いるだけだ」ということです。

(みなさまには、古典的名著「帝国主義論」と「国家と革命」(いずれもレーニン著)をお読みになることをお勧めいたします。ちなみに私はレーニン主義者ではありません。

◆(メール転送です)川崎陽子さんからのメール(ドイツ在住の環境ジャーナリスト)

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ベラルーシのルカシェンコ大統領がプーチン大統領の依頼でチェルノブイリ原発に電力供給したことを、日本のTBSが取材したにもかかわらずあまり知られていないようなので、ブログで紹介しました。

ルカシェンコ大統領がチェルノブイリ原発に無償で電力供給
http://ecoyoko-archive.seesaa.net/article/486679733.html

ウクライナのチェルノブイリ原発で起きていること
以前の記事も併せて参考にしていただけたら幸いです。
http://ecoyoko-archive.seesaa.net/article/486024595.html

このほか、アメリカのネオコンはウクライナで生物兵器研究を行ったり、ウクライナの核武装に協力したりしているようで、引き続きこれらの情報も集めているところです。
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◆(知人Aさんからのメール)ウクライナ戦争の責任は?

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日常的にメディアから流されるウクライナの戦争報道を多くの人は目を背けながら、しかし信じていると思います。小生は、先ずは疑ってみるという悪癖がありますので、メディアの、特に戦争報道は全てプロパガンダだというように考えています。それは、西側メディアも、ロシアメディアもです。

特に、専門家という人々には信用を置いていません。原発報道がそうでしたし、コロナ報道もそうです。専門家と称して、テレビなどに出ている人々は、ほとんどが紐付きと考えています。今アメリカは、空前の経済好況が続いています。そして、暴落したロシアの株を買い占めています。小麦も、原油も、ガスも値上がりで「ウハウハ」でしょう、もちろん軍事株は高騰を続けていますし、コロナ関連株の笑いが止まりません。これが実態です。

東京大空襲の時は、3月10日の陸軍記念日に向けてアメリカが大がかりな空襲があると言うことは市民は感じていました。しかし、そんなことは言えませんでしたし、逃げるようなことも政府はさせませんでしたし、焼夷弾なんて怖くない、落ちてきたら軍手で掴んで外に投げ捨てろ、火消しはたきで消せなどと教えて、逃げることを禁じ、消化作業に従事することを義務つけていました。そして、空襲警報を鳴らしませんでした。警報を鳴らすと、天皇を地下の防空壕へ移動させなければならず、その日は一度空振りをしていたからでした。そして、初弾が落ちてから8分後に警報を鳴らしたのです。

アメリカは、初弾の2カ所の火を目印にその周囲を火の壁を作り、市民を逃がさないようにして、その中を焼き尽くしたのです。10万人が殺された次の日、銀座では何もなかったように陸軍記念日の軍事パレードが行われました。権力者は、人の命など「屁」とも思っていないのです。「国を守る」?嘘です、「権力を守る」のです。こんな連中のために命を賭けますか。

憲法を変えて、緊急事態条項を入れることに74%の支持があるそうです。そのためのプロパガンダが行われています。それでもまだ、メディアを信じますか? マリウポリの状況も、アゾフ連隊と共に、数1000人の市民がいると言われています。アゾフは、多くが外人部隊ですから、降伏をしないことはかつての日本軍と同じでしょうが、そこに市民がいればゼレンスキー大統領は、一時的停戦で市民を逃がす交渉をするべきでしょう。

しかしそんなことを考えもしない人物が「英雄」なのでしょうか。そんな報道は一切ありません。アメリカなどの西側メディアの報道は、日常的に知っていると思いますから、それ以外の報道を送らせて頂きます。

****以下映像など****

22分:世界的な米国際政治学者・ジョン・ミアシャイマー「ウクライナ戦争を起こした責任はアメリカにある!」【日本語字幕付き】YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=cZaG81NUWCs

14分:ジャーナリストの事実、映像 ? 【動画不可シリーズ】 - YouTube
 https://www.youtube.com/watch?v=gLZ8lTvLUdQ

2分:クラマトルスクの鉄道駅へのミサイル攻撃は、またもやウクライナ軍の悪質な挑発行為であり、その結果、多くの民間人が犠牲になリました。虚偽の情報を信用せず、事実に目を向けましょう。 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm40314926

3分:マリウポリ住民の証言:脱出者たちの生の声 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm40263611

7分:ララ・ローガンなどの証言 (18) Facebook
 https://www.facebook.com/bironperu/videos/509943240536978

7分:2018年に死んだマケイン (19) Facebook
 https://www.facebook.com/100004433018672/videos/678073353410322

6分:2018年の映像 ウクライナの民兵と軍事サマーキャンプと「アゾフ大隊」 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)5分:
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm33677663

『大手新聞社のドイツ人編集者★マスメディアがコントロールされていることを証言』 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm40321887

ロシア系住民の虐殺を命令されたウクライナ兵士が命令を拒否、拘束されたが脱走 - MASSACRE! TESTIMONY OF UKRAINIAN DESERTER https://odysee.com/@JAFA:2/JAFA-2020.04.18-MASSACRE!-TESTIMONY-OF-UKRAINIAN-DESERTER:6?fbclid=IwAR1OR2aaK79K5CV39wM-SnFcKdMwza9hhQSeQYNb_LwO6WteKAc1JsEhNCQ

ブチャの虐殺は本当にロシア軍の犯行か? - Was the Bucha massacre really committed by Russian troops? (odysee.com)
https://odysee.com/JAFA-4.09.2022-WHO-COMMITTED-BUCHA-MASSACRE:539abaa866cc7c3b79e173c7b1da93d36758a1d8
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3.IWJ日報

 IWJは、日本のマスごみ報道の偏りを検証するため、ロシア側の報道や、西側の情報でウクライナ政権側に味方しない・批判的な情報なども集めて、中立的な立場(絶対的中立はあり得ませんが、西側・ロシア側のそれぞれの情報に距離を置きながら)から、私たちに提供してくれています。みなさまの、このIWJの調査報道への「浄財支援」をお願い申し上げます。今や希少価値で貴重な存在になっています。

(1)日刊IWJガイド・非会員版「西側メディアがまったく触れない真実! ウクライナ難民はロシアへ56万人以上自分の意志で出国している! 全ウクライナ難民の10%以上」2022.04.23号~No.3509号 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50656
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50656


(2)日刊IWJガイド・非会員版「国連総長が現地を訪問し、両首脳と会談予定! 国連機関の戦争犯罪調査をめぐり、西側メディアは『ウクライナ軍による無差別な影響』をカット」2022.04.24号~No.3510 - What's New お知らせ
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50659
 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50659

┏━━【目次】━━━━

┠■はじめに~ツイッター「IWJ_Sokuho」4月23日、国連総長がウクライナとロシアを訪問、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領と会談、停滞する停戦へ動き出せるのか? 国連人権高等弁務官事務所がウクライナにおける戦争犯罪調査の経過発表をめぐって、『BBC』、『AFP』は「ロシアの戦争犯罪」だけを報じ、「ウクライナ軍による無差別な影響」、「ジェノサイドの証拠なし」をカット!

┠■4月は支出をさらにしぼって、これまでのご寄付の月間目標の420万円を20万円削減し、400万円といたしました! 昨年8月から3月末までの、第12期の8か月間にわたる累積の不足金額は297万8184円です。4月の未達分をあわせた410万3464円まで、4月末までにご寄付が集まることを期待しています! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!

┠■【中継番組表】

┠■ロシア軍の捕虜となった英国人アイデン・アスリン氏が、ウクライナ軍の戦争犯罪を吐露!? しかし「英国人」インタビュアーは、かつてロシアメディア『RT』で働いた経験があり、証言の信頼性には疑問も!? シリアでの戦闘経験があるアスリン氏は2018年ウクライナ軍に入隊、もう1人の英国人捕虜ピナー氏は元英陸軍の退役軍人で、経験と知識をウクライナ軍に伝え訓練するためにウクライナ軍に入隊。ロシアによるウクライナ侵攻のずっと前から、英国人がウクライナ軍の指導に関わっていた! それでも英国は捕虜交換交渉せず!?

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1.知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」―全世界必見の動画!【日本語字幕付き】 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=yw5DvUgJlZA

(関連)チョムスキー氏「核戦争防ぐにはプーチンに出口与える醜悪な解決策を試みよ」 - 日本*国際 - hankyoreh japan

 http://japan.hani.co.kr/arti/international/43194.html

 

2.川崎陽子さん(ドイツ在住環境ジャーナリスト)

(1)ウクライナ情勢に関する専門家の見解- 今ここの地球市民

 http://ecoyoko-archive.seesaa.net/article/487198239.html

(2)ロシア国防省が、米国とNATOの偽旗作戦を警告- 今ここの地球市民

 http://ecoyoko-archive.seesaa.net/article/487185066.html

 

3.IWJ日報

 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/

(1)日刊IWJガイド・非会員版「日経世論調査で緊急事態条項に賛成49%、産経世論調査で72.4%! 憲法審査会で自公維国が改憲に意欲! 民放連はCM規制強化に反対」2022.4.26号~No.3512- What's New お知らせ

 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50675

(日刊IWJガイドの一部抜粋)

┠■ツイッター「IWJ_Sokuho425日、ブリンケン米国務長官とオースティン米国防長官がキエフ訪問、ゼレンスキー大統領は「私たちが望んでいるのはただのプレゼントやケーキではなく、具体的な物、具体的な武器だ」と軍事支援を要求! 次々と繰り出されるバイデン政権によるウクライナ巨額支援に米市民からは怒りの声、「どこからお金が出ているというのか。我々の将来からか。そしてインフレがまた進むのか」!? バイデン政権の支持率は史上最低レベルに! ウクライナ検察総長はロシアの食料配給を受けた市長を反逆罪で起訴! 他の市ではどうだったのか?

┠■8130億ドルの米2023年度国防予算、バイデン大統領は「歴史上最大の軍事予算投資」と豪語するが、インフレ調整すると前年比1.5%の微増! さらに「今のインフレ8%を考慮すると前年よりマイナス」との指摘も! ウォール・ストリート・ジャーナルは「世界の独裁主義者たちの台頭を招いた要因は米軍事力の低下」だとバイデン政権と民主党左派の軍事忌避を酷評! 軍事力で地球上のボスを続けようという発想がむき出し!

┠■<IWJ取材報告>「今後もG7の一員として(ロシア制裁で)米国などと足並みをそろえていくのか?(制裁に加わらない)G20諸国と関係を深めていくのか?」IWJ記者の質問に「情勢を踏まえ適切に対応していく」~4.22 林芳正 外務大臣 定例会見

┠■<新記事紹介>「過去50年のほとんどの戦争はメディアの嘘の結果」ウィキリークスのアサンジ氏の過去映像がウクライナ情勢に際して拡散! 仏TVでウクライナ脱出女性が証言!「紛争の元は2014年から。パペット(ゼレンスキー)のせい」!

 

(2)日刊IWJガイド「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」 米国の保守の論客・ダグ・バンドゥ氏がバイデン政権を批判する論文を発表」2022.04.25号~No.3511- What's New お知らせ

 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50668

(関連)報道特集 虐殺ロシアの主張覆す映像と証言を入手 - TBS FREE

 https://cu.tbs.co.jp/episode/20093_2018625_1000019781

(日刊IWJガイドの一部抜粋)

  TBSは23日放送の『報道特集』で「ロシアの戦争プロパガンダを検証」とナチス親衛隊の紋章であり、アゾフ連隊のシンボルでもある「ヴォルフスアンゲル」にぼかしを入れた上でアゾフ連隊を「ナチスでない」と紹介! これはアゾフのプロパガンダへの加担ではないのか!?

  23日土曜日に放送されたTBS『報道特集』では、「ロシアの戦争プロパガンダを検証」と銘打って、金平茂紀キャスターが、アゾフ連隊創設メンバーのひとりで、キーウ(キエフ)の支部にいるというマクシム・ジョリン司令官にインタビューしているのですが、とても「検証」とはほど遠い内容でした。

 「マリウポリを防衛しているアゾフ連隊」について、まずナレーターが「2014年のロシアによるクリミア侵攻の際、ウクライナを防衛するための民兵部隊として結成された。創設者が極右主義に近かったことなどから、西側の一部からも、ネオナチとの関係を指摘されたこともある」と説明します。

 BBC、ワシントン・ポストなど大手メディアから独立メディアまで、アゾフがネオナチであることを報じ、捕虜虐殺などの戦争犯罪をアムネスティー・インターナショナルが指摘し、日本の公安調査庁(現在は削除)も危険視していた事実があるにも関わらず、「西側の一部からも、ネオナチとの関係を指摘されたこともある」とは、アゾフの有するネオナチの要素をできるだけ薄めてみせようとする意図があからさまではないでしょうか。

 しかもその間、流れている映像では、アゾフ連隊旗、隊員の腕のワッペン、アゾフ連隊基地入り口に掲げられた連隊のマークの、ネオナチの象徴である「ヴォルフスアンゲル」にぼかしが入れられているのです。IWJでは再三、指摘してきましたが、この「ヴォルフスアンゲル」はナチス親衛隊の象徴です。もし問題がないのなら、ぼかしなど一切入れる必要はないはずです。

 インタビューは、次のようなものでした。

金平キャスター「ロシア側は、アゾフ連隊のことを『ネオナチズムの象徴だ』というふうに非難していますけど、怒らないでくださいね」

ジョリン司令官「そういうことを聞いても、もう怒りません。この嘘をもう8年くらい聞いています。ロシアはあらゆる資源や資金を使って、アゾフ連隊をあたかもナチスやファシストだと全世界の人に広めようとしてきました。しかしアゾフ連隊は、ロシアと違って他国に侵攻したこともなければ、他国の政治

に関与しようともしませんでした。さらに言うと、アゾフ連隊で宗教や人種が問題になったことはありません」

 このジョリン司令官の「アゾフ連隊は、ロシアと違って他国に侵攻したこともなければ、他国の政治に関与しようともしませんでした」という発言に、他国を侵略しなくても、国内のオデッサやドンバスその他で自国民であるロシア語話者のウクライナ人を虐殺したのでは?と切り返すべきところです。自国間での少数民族への迫害や虐殺が許されると言うならば、かつてウクライナでも頻発した、反ユダヤ主義者によるポグロム(ユダヤ人虐殺)も問題ではなかったことになります。

 しかし、金平氏はアゾフらネオナチによるロシア語話者への虐待・虐殺には一切触れず、次のように続けました。

金平キャスター「アゾフ連隊は何のために戦っているんですか?」

ジョリン司令官「我々はウクライナを守っています。自由で独立した国であってほしいだけです」

金平キャスター「そうすると、アゾフ連隊は極右団体だったというような情報は、フェイクニュースだっていうふうに思っているんですね?」

ジョリン司令官「もちろん、ロシアの真っ赤な嘘です。今ナチズムを体現している人間はただ一人、それはプーチンです」

 金平キャスターのこの質問の仕方は、明らかに誘導質問です。「アゾフが極右というのはフェイクニュース」と言わせるためのあからさまな誘導です。金平氏には大いに失望させられました。

 ジョリン司令官の背後には、「ヴォルフスアンゲル」のはっきり描かれたアゾフの連隊旗が掲げられているのですが、金平キャスターは「ネオナチ」についてインタビューしていながら、この連隊旗に使われているマークの意味については一切触れないのです。あまりにも不自然です。

 ネオナチではないといいながら、ナチスの親衛隊の紋章を掲げるアゾフと、それに対し「怒らないでくださいね」などとおもねりながら、「アゾフ=極右はフェイクニュース」という誘導質問を口にする金平氏。

 その上で、編集に際してはナチスのシンボルにぼかしを入れる。ぼかさなければならない理由は何でしょうか? それが人の目には「卑猥」に映るからでしょうか?

 隠す理由があるのを知っているからこそ、ぼかしを入れているはずです。それをわかっていながら、言葉の上ではアゾフ幹部と呼吸を合わせてアゾフのネオナチ性のホワイトニングをはかる。

 これは「政治的ポルノ」であり、同時に確信犯的なアゾフのプロパガンダの「共犯」行為です。「報道特集」と金平キャスターが、ここまでジャーナリズムとして堕落したのが信じられません。

 これでは「ロシアの戦争プロパガンダを検証」しているのではなく、「アゾフのプロパガンダに加担している」としか思えません。

※【速報508923日放送TBS『報道特集』。「ロシアの戦争プロパガンダを検証」と銘打って、金平茂紀キャスターが、アゾフ連隊創設メンバーのひとりで、キーウ(キエフ)の支部にいるというマクシム・ジョリン司令官にインタビュー

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518162461643649024

※【速報509023日放送TBS『報道特集』続き。ナレーター「2014年のロシアによるクリミア侵攻の際、ウクライナを防衛するための民兵部隊として結成された。創設者が極右主義に近かったことなどから、西側の一部からも、ネオナチとの関係を指摘されたこともある」

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518164949331505153

※【速報509123日放送TBS『報道特集』続き。アゾフがネオナチであることはBBC、ワシントン・ポストの大手メディアから独立メディアまでが報じ、捕虜虐殺などの戦争犯罪をアムネスティー・インターナショナルが指摘しているにもかかわらず「一部で指摘されたこともある」!?

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518166422081634304

※【速報509223日放送TBS『報道特集』続き。ナレーションの間、流れている映像では、アゾフ連隊旗、隊員の腕のワッペン、アゾフ連隊基地入り口に掲げられた連隊のマークの、ネオナチの象徴である「ヴォルフスアンゲル」にぼかしが入れられている。

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518166741641494529

※【速報509323日放送TBS『報道特集』続き。金平キャスター「ロシア側は、アゾフ連隊のことを『ネオナチズムの象徴だ』というふうに非難していますけど、怒らないでくださいね」ジョリン司令官「そういうことを聞いても、もう怒りません。この嘘をもう8年くらい聞いています」

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518167171779932160

※【速報509423日放送TBS『報道特集』続き。ジョリン司令官「アゾフ連隊は、ロシアと違って他国に侵攻したこともなければ、他国の政治に関与しようともしませんでした」

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518168746673975297

※【速報509423日放送TBS『報道特集』続き。ここで「他国に侵略しなくても東部ドンバスで自国民であるロシア語話者のウクライナ人を虐殺したのではないか?」と疑問が生じるが、金平氏は言及せず。司令官背後の連隊旗の「ヴォルフスアンゲル」の意味も問い正さず。

 

https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1518169804691357697