2022年3月13日(日)13:30~15:30 ストップ川内原発! 3.13かごしまアクション 場所:鹿児島市天文館公園
●川内原発行政訴訟 第5回控訴審 福岡高裁 1015号法廷 10階 https://tinyurl.com/5ba95phz
7月16日(金) 13時半~門前集会 14時 口頭弁論 15時(予定)報告会:弁護士会館 2階大ホール
案内チラシ:https://tinyurl.com/akdwnwub
・川内行訴期日の概要:https://tinyurl.com/unns74
・報道関係者:https://tinyurl.com/74t5znxy
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新着情報 2021.7.16
川内原発行政訴訟 第5回控訴審
福岡高裁 1015号法廷 10階●
7月16日(金) 13時半~門前集会 14時 口頭弁論
報告会:弁護士会館 2階大ホール
前回 第4回控訴審
210218第5準備書面 NHK提出版 https://tinyurl.com/2jdmb7r6
210219第6準備書面スーパーボルケーノ提出版
柏崎原発で新たな工事未了 - 総点検で判明、数十カ所かhttps://t.co/gaeDSKNEoS
— 共同通信公式 (@kyodo_official) June 9, 2021
新着情報 2021.5.19
新着情報 2021.4.26
新着情報 2021.3.10
新着情報 2020.3.7
新着情報 2021.01.08
新着情報 2020.9.25
新着情報 2020.7.30
新着情報 2020.7.25
新着情報 2020.3.17
「テロ対策施設 未完成で初の停止へ 川内原発1号機 」NHK2020年3月16日 4時18分各地の原発
https://www3.nhk.or.jp/
「鹿児島県にある九州電力の川内原子力発電所1号機は、
新着情報 2019.6.18
裁判長「合理的な予測の範囲を超えるものは、その発生の可能性が根拠を持って示されないかぎり、対策を講じなくても社会的に容認される」。合理的な予測を超え、可能性がないと対策を講じなかったから、3基もメルトダウンしたんでしょ!
川内原発 巨大噴火への安全性問う訴え 退ける判決 福岡地裁
NHKnews Web
新着情報 2018.9.1
◉川内原発関連
「【動画】反原発団体が知事へ公開質問状」KTS鹿児島テレビ2018年08月31日19:26
.http://news.ktstv.net/e77165.html
「川内原子力発電所の敷地内の保安林伐採や造成工事は「3号機増設につながるものではないか」として反原発の市民グループが三反園知事宛てに公開質問状を提出しました。船津康幸さんFBより
新着情報 2018.7.18
◉川内原発関連 ※西日本新聞でも類似記事既報ですが、
「【動画】九電新旧社長来鹿も 知事とは会わず」KTS鹿児島テレビ2018年07月17日
.http://news.ktstv.net/e76387.html 船津康幸さんFBより
★◎川内原発関連
※こちらのTV局でも抗議行動を伝えています
「川内原発1号機 30日夜 運転再開」MBC[05/30 20:02]
http://www.mbc.co.jp/news/mbc_news.php?ibocd=2018053000029741
九州電力は、定期検査に伴い停止していた川内原発1号機の運転を30日夜、再開させます。川内原発の前では、市民団体による抗議活動が行われました。...
九州電力によりますと、川内原発1号機は1月に原子炉を停止させ、定期検査を行ってきましたが、30日夜9時半ごろ、原子炉の制御棒を引き抜く操作を行い、原子炉の運転を再開させる予定です。
これに対し、脱原発の市民グループは「再稼動は許さない」と訴え、川内原発のゲート前でおよそ30人が抗議活動を行いました。
1号機は、31日午前中には核分裂が続く「臨界」に達し、来月5日までには発電と送電を再開する予定です。すべての検査が終わって通常運転に復帰するのは、来月下旬を予定しています。
なお、川内原発は2号機も定期検査中で、9月下旬をめどに検査を終了する予定です。」船津康幸さんFBより
2018.5.13 新着情報
◉川内原発関連
※地元紙の世論調査では 再稼働に否定的は50%・・・
「川内原発 再稼働同意、66%が「対象広げるべき」 南日本新聞世論調査」南日本新聞2018/05/06 13:00)
2017.11.29 新着情報
川内原発に新たな火山対策 MBC News ☜click (船津康幸さんFBより)
2018.1.30 新着情報
川内1号機 29日定期検査入り NHK鹿児島WEB ☚click
新着情報 2017.8.24 (青柳信行さんメルマガより)
★ 松田奈津子(脱原発弁護団全国連絡会事務局) さんから:
昨日、川内原発を止める!・川内原発行政訴訟 第5回口頭弁論論期日(301号法廷)
(川内行訴)報告会の動画 海渡雄一、甫守一樹弁護士から
https://www.facebook.com/dgbengodan/videos/vb.496758143796209/919958031476216/?type=3&theater
新着情報 2017.8.22 (青柳信行さんメルマガより)
●川内原発を止める!・川内原発行政訴訟●
新規制基準のもと、設置変更許可処分に対する初めての取消訴訟
第五回8月23日(水)11:00 福岡地裁301号大法廷
案内チラシ http://tinyurl.com/ycwre5jz (チラシの画像)
2016.11.30 新着情報
シャワリンさんから
4日前「経産省テントひろば」で、経済産業省・資源エネルギー庁からヒアリングを行いましたが、今朝の下記ニュース「廃炉費 新電力の負担は見送り」、もちろん大歓迎、というわけにはいきません。
「東電の経営改革」努力で、託送料金への「上乗せ」は見送る等といっても、送配電事業会社(東電の場合は既に分社化した東京電力パワーグリッド)が今後、合理化等で浮かせた分を、値下げ還元せず、廃炉機構に回すとの事。(送配電網は本来、一私企業の私物というより、公共料金・地域独占時代に強制徴収されてきたインフラ、国民の共有財産であり、国費の換わりに何れ取り返すべきですが、役人たちも内実はろくに解ってないようで、大手電力の言いなりで認可した託送料金を、自ら削るインセンティブ狙いもあるかもですが、目先の利益のため、原発同様安全なおざりにしそうで不安です)また、「賠償」については、新電力にも転嫁させる目論みのままと。「原発は安い」と言ってきて、さぞや儲けてきて、未だ、明確に撤回していないですから、あくまで、東電および原発保有・再稼働の大手の発電(ないし小売)事業で負担すべきでしょう。<福島廃炉費>新電力除外 経産省、賠償費は上乗せ(毎日新聞)| 2016/11/29(火) - Yahoo!ニュース http://news.yahoo.co.jp/pickup/6222451
「東電委員会」で経産省資源エネ庁が自ら配付資料で提起した廃炉費用数千億円の根拠、内訳詳細についてさえ、(答えるに答えられなかった、という見方もありますが)「実はこれからです」と。
https://twitter.com/tentohiroba/status/803018633186316289
まして、九州電力、四国電力に負担の能力も責任感のカケラも無いまま、地震、噴火等の危険も続く川内原発、伊方原発を、今も再稼働させている無責任っぷり。
(万が一の事故の試算は当然しているか?の質問に、もちろん、顔を見合わせたり、俯くばかりでした)
http://twitcasting.tv/showering00/movie/325442171
その川内1号基は定期検査中ですが、四月以降の群発地震をうけて、避難計画を見直す(九州初の)「検討委」(補正予算が県議会でかけられるのは2号炉が止まり、定検に入る16日)をも待たず、九電は(住民の安全など保障する気はサラサラ無いと)来週木曜、12月8日にも、再稼働すると宣言しています。地元、鹿児島、薩摩川内市の人々は川内テント、ゲート前で抗議する予定ですが、首都圏でも呼応、連帯しましょう。
再稼働阻止全国ネットワークでは再稼働予定の前日、12月7日(水)、17時半から、九電東京支社に対する抗議行動を呼び掛けており、申し入れも行う予定です。https://twitter.com/zenkokunet/status/803108273255612417
三反園・鹿児島知事、川内原発対応「検討委で検証し判断」 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000023-san-l46
民間規制委員会・かごしま
民間規制委員会は一昨年、槌田敦さんを中心に川内原発再稼働反対に向けて立ち上げました。
「民間規制委員会・かごしま」は、昨年8月に「誰も書かなかった川内原発の欠陥」と題したリーフレットを発行した。川内原発の構造や、原発の新規制基準に「致命的な問題点がある」と指摘し、「未解決のまま、再稼働に突っ走ることは許されない」と訴えている。A5判、22ページ。200円。(西日本経済新聞)
尚、英語版の冊子も発行されております。
問い合わせ先 岩井哲(℡・090-3419-6153、メルアド・tetsu080846@po5.synapse.ne.jp)
引き続き昨年松山でも民間規制委員会が立ち上がり11月に第1回学習会が開かれ今年1月17~18日第2回学習会と四電への「勧告書」手渡し行動がなされます。
▼川内原発関連 2015.12.19
●●●「川内原発、免震棟設置せず=事故対応拠点、収容人員減―九電」時事通
信12月18日(金)0時23分配信 全文「九州電力は17日、これまで川内原発(鹿児島
県)に事故対応拠点として設けると説明してきた免震重要棟について、方針を転
換し設置しないと発表した。
・設置済みの「代替緊急時対策所」で十分だと主張している。
・九電によると、設置予定だった免震重要棟は地上3階建てで収容人員は300人。
内部に事故対策の拠点となる緊急時対策所のほか、医務室や宿泊室、環境中の放
射能測定をする部屋などを設ける計画だった。
・九電は川内1、2号機の再稼働を急ぐため、一時的な施設として免震重要棟より
も早く造れる平屋の対策所を設置している。耐震構造で収容人員は100人。新た
な計画では、対策所近くに地上2階、地下2階の「耐震支援棟」を建設し、医務室
や宿泊室、放射能測定室などを造るという。
・作業員は、耐震支援棟への移動のため屋外に出る必要が生じる。事故時に屋外
の放射線量が高くなっている可能性もあるが、九電は「他の電力会社の対応も見
ながら決めた」と話している。」
・・・・●規制委の新規制基準に乗っかった新たな安全神話に相乗りの策です!!
(原発止めよう!九電本店前ひろば メールより転載)
川内原発異議申立ての結果について
川内原発抗議 2015.08.9~10 ・・・ 千葉さんより
久見崎海岸 浜の茶屋での集会
沈む夕日が素晴らしく。 演奏はしばし中断され、皆で見入った。
久見崎海岸の砂浜に建てられた舞台でのウエル亀ロックフェス:三宅洋平の歌と語りは素晴らしかった。 映画上映等で深夜まで続いた
久見崎海岸での現地集会
灼熱のゲート前、声の限りの再稼働への抗議
灼熱のゲート前 体に鎖を巻きつけての抗議
川内原発の異議申立ての決定書等について
2015年12月14日
異議申立人総代
青柳行信 鳥原良子 北岡逸人
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総評
これでは原子力規制委員会の存在意義・価値が無い。このままの日本の原子力行政では、原発事故を防げず・原子力災害の被害を拡大させるであろう(世界最高水準の原子力行政とは言えず、行政機関の良心を示せなかった内容である)。
異議申立て制度が活かされていない(裁判と違い専門性の高い違法性だけでなく不当性に関する審理が期待されたが、判決の様な法律論の判断に終始して、科学的・技術的専門性に欠ける残念な内容であった)。
それは、3.11前の原子力安全・保安院の様な中立性・独立性に欠ける、原発再稼働ありきの推進側に偏った内容である(倫理なき原子力推進委員会になり下がっている)。
決定書の出た時期について
再稼働の前であるべきだった(早期再稼働を求める推進側の論理に支配され、多くの国民の不信・不安を無視している)。
決定書を出す過程について
審理は公開される必要があった。審理の過程が不透明で担当者の資質・能力に疑義がある(異議申立てした許可処分を出した担当部署だけで決定書を準備したと推察されるが、それでは審理の客観性と中立性を全く担保できない)。
異議申立適格について
非常に狭く適格範囲を考えていて問題(直接的な被害のみでなく、間接的な被害・行政機関の不当性の是正を認めるべき)。
異議申立ての内容について(異議申立ての理由がないと判断されたことについて)
異議申立ての内容と原子力規制委員会の存在理由を恣意的に狭く解釈し、原子力防災・地元同意・核ゴミ問題等の判断から逃げている(原子力行政の専門機関としての良心・能力を示せず、3.11後の新体制下における最初の再稼働判断の責任の重さを自覚していない)。
異議申立ての内容について(反論がなされた内容について)
従来の九州電力などの反論の範囲を出るものではなく、科学的・技術的な専門機関としての反論・批判になっていない(希望的観測に満ちた机上の空論である)。
平成26年(ヨ)第36号 川内原発稼働等差止仮処分
平成26年(ヨ)第36号 川内原発稼働等差止仮処分申立事件
決定要旨
1 事案の骨子と結論
本件は、債権者ら(川内原子力発電所から250㎞圏内に在住する住民12名)が、債務者(九州電力株式会社)に対し、人格権に基づき、債務者が設置している川内原子力発電所1号機及び2号機(本件原子炉施設)の運転差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案であるところ、本決定は、債権者らの申立てには理由がないとして、これを却下するものである。
2 本件申立てについての司法審査の在り方について
原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原発運転差止仮処分における裁判所の審理・判断は、福島第一原発における事故の経験を考慮した最新の科学的知見及び原子力規制委員会が作成した安全目標(セシウム137の放出量が100TBqを超えるような事故の発生頻度を10-6/年程度を超えないように抑制する。)に照らし、同委員会が策定した新規制基準の内容及び同委員会が示した当該原子炉施設に係る新規制基準への適合性判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきである。この安全目標が達成される場合には、健康被害につながる程度の放射性物質の放出を伴うような重大事故発生の危険陛を社会通念上無視し得る程度に小さなものに保つことができると考えられる。
そして、まずは債務者の側において、新規制基準の内容及び原子力規制委員会による新規制基準への適合性判断に不合理な点のないことを相当の根拠を示し、かつ、必要な資料を提出して主張疎明する必要があり、債務者がその主張疎明を尽くさない場合には、本件原子炉施設の安全性が確保されず、健康被害につながる程度の放射性物質の放出を伴うような重大事故を引き起こす危険性があることが事実上推認される。債務者が上記の主張疎明を尽くした場合、本件仮処分命令が認められるためには、本来的に主張疎明責任を負う債権者らにおいて、本件原子炉施設の安全性に欠ける点があり、債権者らの生命、身体等の人格的利益の侵害又はそのおそれがあることについて、主張疎明をしなければならない。
3 地震に起因する本件原子炉施設の事故の可能性について
(1)新規制基準の合理性
ア 新規制基準は、国内外の最新の研究成果や調査結果等を踏まえド多数の専門家によって構成される合議体において、相当期間・多数回にわたる検討・審議を行った上、一般からの意見募集とその検討を経て、専門的知見を有する原子力規制委員会によって策定されたものであり、その策定に至るまでの調査審議や判断過程に看過し難い過誤や欠落があると認められないから、福島第一原発における事故の経験等をも考慮した最新の科学的知見及び安全目標に照らし、その内容に不合理な点は認められない。
イ 新規制基準では、基準地震動(施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切な地震動)として、「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」と「震源を特定せず策定する地震動」をそれぞれ策定することが求められている。債権者らは、「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」の策定に用いられる手法が既往地震の観測記録を基礎とする平均像を用いたものとなっている点を問題視するところ、地震発生のメカニズムについての知見(その地域ごとに発生する地震の様式、規模、頻度等に一定の傾向が認められる。)等に照らせば、このような地域的な傾向を考慮して平均像を用いた検討を行うことは相当であり、平均像の利用自体が新規制基準の不合理性を基礎付けることにはならない。
平均像を導くための基礎データの中に平均像から大きくかい離した既往地震が含まれるとしても、その地域的な特性(震源特性、伝播経路特性、敷地地盤の特性)が本件敷地と大きく異なるのであれば、その既往地震を考慮しなくても不合理とはいえない。
ウ 日本の原子力発電所においては、過去10年間でその当時の基準地震動を超過した地震が四つ(5ケース)発生していることが認められるが、新規制基準においては、これらの基準地震動超過地震が生じた原因とされる地域的な特性を基準地震動の策定に当たって考慮できるようにその手法が高度化されているから、これらの基準地震動超過地震の存在が新規制基準の不合理性を直ちに基礎付けるものではない。
(2)新規制基準への適合性判断の合理性
ア 原子力規制委員会は、本件原子炉施設に係る発電用原子炉の設置変更許可に際し、その耐震安全性について、債務者の実施した地震・地質等の調査やこれに基づく基準地震動の策定、耐震設計方針が薪規制基準に適合したものであると認める判断を示し、川内1号機については、工事計画の認可により耐震設計に係る新規制基準等への適合性を認め、川内2号機についても、工事計画認可申請についての審査が行われている。
上記の原子力規制委員会による新規制基準への適合性判断は、専門的知見等を有する原子力規制委員会により、債務者からの多数回にわたるヒアリングや、一般からの意見募集及びそこで提出された意見の検討を経て示されたものであり、その調査審議は厳格かつ詳細に行われたものと評価できるから、福島第一原発における事故の経験等をも考慮した最新の科学的知見に照らしても、不合理な点は認められないというべきである。また、川内2号機に係る耐震設計については、原子力規制委員会による新規制基準等への適合性判断は未だ示されていないものの、その方針については新規制基準への適合性が認められており、現在継続中の工事計画認可申請に係る調査審議についても、その過程に不合理な点があるとは認められない。
イ 債務者は、「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」の策定に当たって震源モデルを構築しているが、それに先立って、本件敷地周辺海域において、相当綿密に測線を設定した海上音波探査や重力異常に関する調査を実施して活断層の連続性を慎重に確認したものと認められる。
債務者は、これらの調査結果を基に、本件敷地周辺の地域的特性を踏まえて想定すべき最大限の断層面積や応力降下量等を設定し、各種の「不確かさ」を考慮して震源モデルを構築し、これに基づき断層モデルを用いた手法による地震動評価を行った結果、原子炉施設の耐震性能に最も影響する地震動評価値(短周期レベルA)で見ると、断層面積や応力降下量等の想定値を最大限にして算出される地震動より更に約1、8~2.0倍の余裕が確保されていると認められる。本件敷地周辺の活断層の性質及び内陸地殻内地震に関する知見等を考慮すると、本件敷地周辺で発生する地震の地域的な特性として地震動が平均よりも相当程度小さくなる傾向があると評価でき、このことは債務者の行った各種の地震動評価と整合する。その上で、応答スペクトルに基づく手法による地震動評価においても平均像や地震観測記録等から導かれる地震動に対して一定の余裕が確保されている。
ウ 債務者は「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」の評価に際して海洋プレート内地震を検討用地震として選定していないが、これは本件敷地周辺で発生し得る海洋プレート内地震の震源位置から本件敷地までの距離が十分離れているため、その地震の揺れにより本件原子炉施設に被害が発生することはないものと評価したことによる。このような債務者の海洋プレート内地震に関する評価は最近の地震学の知見に照らしても相当なものであり、新規制基準への適合性を認めた原子力規制委員会の判断に不合理な点はない。
エ 債務者は、「震源を特定せず策定する地震動」の策定に当たって、「基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド」(地震ガイド)に例示された16地震の観測記録の中で精度の高い地盤情報が得られている留萌支庁南部地震のK-NET港町観測点(本件観測点)における観測記録のみを検討している。地震ガイドでは、「震源を特定せず策定する地震動」に関し、震源と活断層を関連付けることが困難な過去の内陸地殻内の地震について得られた震源近傍における観測記録に基づいて評価することが求められているところ、現時点においては、他の観測記録に関して高精度の地盤情報等が備わっていないことなどに鑑みれば、債務者による地震動評価は現時点における最新の知見に基づくものとみることができる。
なお、債務者は、「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動の検討過程で、本件敷地周辺で発生し得る地震について十分安全側に立った評価が尽くされているから、「震源を特定せず策定する地震動」は本来生じ得ないものであるが耐震安全上の観点から念のために付け加える位置付けにあると主張するが、新規制基準及び地震ガイドの趣旨・文言、これらが策定されるまでの議論状況等に鑑みれば、「震源を特定せず策定する地震動が債務者の主張するような位置付けであると解することはできない。したがって、債務者においては、検討対象とした観測記録以外の地盤情報に関して新たな知見が得られるなどした場合には、これらの観測記録に基づいて「震源を特定せず策定する地震動の評価を実施すべきである。
オ 本件原子炉施設の耐震設計においては、その際に用いられる評価基準値が実際に建物等が壊れる限界値との関係で十分な余裕が確保されている上、実際の設計段階でも評価基準値に対して上限とならないように工学的な判断に基づく余裕が確保されており、さらには放射線に対する遮へいの要求等から建物の壁がより厚く設計されるなど、耐震以外の要求からも耐震安全上の余裕が付加されていることなどが認められる。これらの耐震安全上の余裕があることについては、原子力安全基盤機構が実施した耐震実証実験の結果やストレステストの結果等からも裏付けられている。
力 債務者は、本件原子炉施設に係る安全確保対策として、従来からの多重防護の考え方に基づく設計に加え、新規制基準に従い、重大事故が発生し得ることを前提とする安全対策(シビアアクシデント対策)として、保安設備の追加配備等の対策を行っている。これらの安全対策によっても地震に起因する事故により放射性物質が外部環境に放出されることを相当程度防ぐことができるというべきである。
キ 本件原子炉施設について、確率論的安全評価によって算定された基準地震動の年超過確率が10-4/年~10-5/年程度とされている。また、厳しい重大事故を選定して環境に放出されるセシウム137の放出量を解析したところ、7日間に約5.6TBq(事故発生後100日間では約6.3TBq)との結果が得られている。加えて、前記オの耐震安全上の余裕が確保され、前記力の安全確保対策が施されていることを考慮すれば、安全目標が求める安全性の値を考慮しても、本件原子炉施設に係る基準地震動の策定及び耐震安全性の評価に不合理な点があるとはいえない。
(3)債権者らの主張について
債権者らは、本件原子炉施設には大規模な地震が発生した場合の「冷やす」機能及び「閉じ込める」機能の維持について重大な欠陥があるとして、債権者らの人格的利益が侵害される具体的危険性がある旨主張するが、このような欠陥により事故の発生が避けられないと認めるに足りる的確な疎明はないといわざるを得ない。
4 火山事象により本件原子炉施設が影響を受ける可能性について
(1)新規制基準の合理性について
前記3(1)と同様に、原子力規制委員会が策定した新規制基準の内容に不合理な点は認められない。なお、原子力規制委員会は、その策定に際し、火山学の専門家からも助言等を受けていることが認められる。
「原子力発電所の火山影響評価ガイド1が検討対象火山について火山活動のモニタリングと兆候把握時の対応を条件付けている点に関しては、当該火山について火砕流等の火山事象の影響を受ける可能性が十分小さいと評価されたことを前提に、その可能性が十分に小さいことを継続的に確認することを目的とするものであることなどを考慮すれば、これらの定めが火山学の知見に照らしても不合理なものとまではいえない。
(2)新規制基準への適合性判断の合理性について
債務者は、新規制基準に従って、各種調査を実施した上で、火山事象により本件原子炉施設が受ける影響を評価していることが認められ、その評価は火山学の知見により一定程度裏付けられている。その上で、原子力規制委員会は、本件原子炉施設に係る火山事象の影響評価についても、火山学の専門家の関与・協力も得ながら厳格かつ詳細な調査審議を行ったものと評価できるから、新規制基準への適合性判断は福島第一原発における事故の経験等をも考慮した最新の科学的知見に照らしても、不合理な点は認められない。
これに対し、カルデラ火山の破局的噴火の活動可能性が十分に小さいとはいえないと考える火山学者も一定数存在するが、火山学会の多数を占めるものとまでは認められない。また、そのように考える火山学者においても、破局的噴火の頻度が小さいものであるとの認識は共通しており、そうした火山学者の指摘は、破局的噴火については観測例が存在せず、その実体や機序が不明で噴火を予知することも困難と考えることなどから破局的噴火の活動可能性を否定できないとする趣旨とみるべきである。
5 本件避難計画等の実効性について
本件原子炉施設周辺の地方公共団体が策定した避難計画を含む緊急時対応(本件避難計画等)においては、本件原子炉施設に発生した事象ごとに、本件原子炉施設からの距離に応じて区分された三つの地域(5㎞圏内、5~30㎞圏及び30㎞、圏外)に応じて採るべき避難行動が具体的に定められており、あらかじめ計画していた避難先施設が放射性物質の拡散状況等で使用できない場合には「原子力防災・避難施設等調整システム」により避難先を調整する方策等も定められている上、放射線防護資機材等の備蓄、緊急時の放射線量等の測定方策、安定ヨウ素剤の投与等についても、その方策が具体的に定められている。これらによれば、本件避難計画等は、現時点において一応の合理性、実効性を備えているものと認められる。
6 まとめ
以上のとおり、債権者らが本件原子炉施設の運転に当たって具体的危険性があると主張する点を検討しても、債権者らの人格権が侵害され又はそのおそれがあると認めることはできないから、本件仮処分命令の申立てには理由がない。